イタコ三兄弟が繰り広げるハートウォーミングなアクションコメディ

高名なイタコの母を持つ三兄弟の物語『東京ゴーストトリップ』(葉芝真己:作、冬水社、イチラキコミック)は元気を出したいときに読みたくなる作品です。
引く手あまたのイタコの母が突如出奔し、残された兄弟が数々の依頼を受けながら成長していく話です。

名優と言われた父を超えられずスランプに悩む若手俳優、亡父の霊に会いたいのに父の側が拒んでいる青年、かつて施設で世話していた少年にプレゼントを渡したい神父など、訪れる様々な依頼人の悩みに、母譲りの強力な霊力と厚い人情で応えていきます。

三兄弟は十代で、バチカンの元エクソシスト、霊視能力に優れどんな霊でも捕まえられる霊能力者、霊の存在は全く信じないくせに依り代としてはぴか一の資質を有する現実主義者、という極端な設定です。さらにイタコとして手広く事業を営むもうけ主義の親戚など、強烈なキャラクターが絡んできます。

現実味の薄い物語ですが、人情味あふれる三兄弟の身体を張った行動に元気をもらえます。依頼人ごとに一話完結式にお話がまとまっているので、テンポが良いです。「東京」の題名が付いていますが、描きこまれた背景から察するに彼らの住まいは高尾山周辺です。服装も言動もあまりスタイリッシュではありませんが、かえって親しみを感じて私にとっては感情移入しやすいです。

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